表具 吉橋完光堂 ~古今書画修復表装~






古文字ふるもじを楽しむ 展

「古文字」と「古」とつけたのはただ時が「降る」ということだけではなく、近代からの活字ではなく古いもののほうが、文字自体また割付などに、身体感を持っているものが多いという意味合いでの体が「振る」も込めたからです。

「古文字」は意味のほかに、身の振る舞いの視覚的、音声的な力を感じやすい「文字」ということです。

音声は関係ないようですが、筆の流れ、字の体型は音声の名残ともいえます。

「文字」としたのは西洋古活字、アジアのバイラーン、チベット文字など含めると「書」とするより「文字」のほうがよいと考えたからです。

「古文字を楽しむ」展では、こころときめき出会った「古文字」を「作品に共鳴する布」「歴史的な背景・格式」とを絡め合わせ、古典的でありながらも現代的なものに仕立てました。

今回、展示会場となる自宅工房では、一年を通じて、その時々に掛軸を替えています。ただし表具屋だからといって、掛軸が沢山あるとはかぎりません。

霜月に入って、床の間ではなくリビングに掛けているのは飛鳥井雅康(宋世)の三首和歌懐紙です。蹴鞠(けまり)に秀で、また現在の源氏物語の基本テキスト「大島本」を作成した、型にはまらない公家です。

書いている和歌も、お公家さんとは思えません。しかし、その書に込められた「いささか破天荒な品」は時代を「降り」ながらもまだ「振り」続けています。

この時間を越えた気持ちの伝播、「心がカセラレル」ことこそが「古文字」の眼目と思います。

そうしたものには、やはり衣装を合わせたくなります。

自宅工房での展示、至らぬところが多々ありますがお待ちいいたしております。

2017.11.19~22日  13:00~18:00   完光堂工房にて

吉橋 玄雄

表具 吉橋完光堂 ~古今書画修復表装~